観光地でのエレベーターマナーを考える
私は旅行に行くと、よくエレベーターガールになります。
エレベーターガールといっても、別に綺麗な制服を着ているわけもなく、普通の私服です。
お仕事は簡単。
「開く」ボタンを押して、エレベーターに乗り込む方を迎え入れること。
エレベーターを降りる方がいれば、「開く」ボタンを押してただ降りるまで待つだけ。
たったそれだけの簡単なお仕事です。
もちろん、お給料がでるわけではありません。
強いて言えば、乗ってくる人や降りて行く人の「ありがとうございます」や「すいません」、軽い会釈などが私の行動に対するお給料です。
いつも、なんでだろう?と思います。
私は会社員なので、ビジネスの現場ではエレベーターマナーが存在するのが当たり前です。
1番最初にエレベーターに乗った人が、「開く」ボタンを押して、乗る人や降りる人をサポートすること。
ほんの数秒の作業ですし、同じ会社で働く人や、取引先の方に対する礼儀として、またお互いに気持ちよく働くために、どのビジネスシーンでも浸透している行為だと思います。
でも、ビジネスではない、私服に着替えたプライベートな場所になると、途端にそのマナーを見ることが少なくなります。
特に観光地では、そう思います。
「開く」ボタンをコントロールしてくれる人はほとんどいないな、と。
エレベーターに乗り込むと、1番奥に乗り込んで景色をただみている人。
エレベーターが目的地に着くと我先にとスタスタ出て行き、「開く」ボタン係の存在も気づかない人。
もちろん「開く」ボタン係をやってくれている人もいます。
今回私の旅先でのエレベーター乗車でも、7割くらいは私が「開く」ボタン係。
3割くらいは他の方に「開く」ボタン係をやっていただきました。
当たり前のようにやっている方も、たくさんいらっしゃいます。
別に私も褒めて貰いたくてやっているわけではありません。
他の人にやるべきだと言える立場でもない。
だって法律でエレベーターマナーについて、何か定められてるわけでもないですから。
でも観光地だからこそ、
お年寄りの方や、外国人、小さいお子さんを連れたお母さんだって沢山いて、「開く」ボタン係の需要があるのではないか?と思います。
ビジネスのシーンより沢山の属性を持った人が集まる場所です。
ビジネスの場ではない所では、社長や芸能人、役員や部長、議員といった役職も、年収数千万円という人も、何の意味もないフラットな関係です。
もちろん、知らない人同士が乗り合わせるエレベーターなので、他人の評価を気にする必要はありません。
誰が「開く」ボタン係をやってもやらなくても関係ないかもしれません。
我先にとエレベーターから降りて、その先にあるワクワクするような場所や、素敵な景色を見たいという気持ちも分かります。
でも思ってしまいます。
もし自分が、
怪我をして体が不自由な状態のとき、
子供が生まれてベビーカーを押して移動するとき、
歳をとって体が思うように動かないとき、
外国に来てエレベーターの操作がわからないとき、
きっと誰かに「開く」ボタンを押していてほしいと思うだろうなと。
そしてもし、「開く」ボタンを押してくれる人がいれば、できるだけ大きな声でお礼を言いたいなと。
こんなことをわざわざブログに書いて、偽善者だと思われるかもしれません。
でも、エレベーターマナーをもっと1人ひとりが意識すれば、もっと社会が良くなるような気がします。
こんなちっぽけなブログでは、私の記事を見ていただける人も限られているとは思いますが、せっかくブログを始めたからには自分が感じた社会に対する疑問を少しでも書いていく事も大切な気がします。
この記事を読んで、何かしら受け取って自分の行動を振り返る機会になる方がいるのであれば幸いです。
長い独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。